巨人ドラフト1位の平内龍太投手(22=亜大)が、開幕ローテーション6番目の座をかけて懸命に食らい付いている。

キャンプは1軍で走りきり、2月17日広島戦では3回1安打無失点。内角を厳しく突くパワフルな投球で華々しい対外試合デビュー戦を飾った。しかし同23日のヤクルト戦で2被弾を浴び、3回5失点。3月のオープン戦に入ってからも、甘く入った球を痛打され2試合で計6回4失点とプロの壁に直面している。

そんな平内へ、伯父で元ダイエーで投手として活躍したソフトバンク永井智浩編成育成本部本部長兼スカウト部部長(45)の言葉が後押しする。「龍太は直球のパワーで押すスタイル。荒々しい、今のままで良いと思う。そのまま入っていって、自分の力がどれだけ通用するのかを知ることが大事。相手はプロだから結局いつかは対応してくる。壁に当たるからこそ、越えるために新たに考えていかないといけない」。小さくまとまる必要はない。あたって砕ければいい。挫折し、現状を打破するために、考える。その繰り返しが成長につながっていくと説明した。

永井氏は平内が生まれた98年にダイエーに入団し、投手として96試合に登板。平内少年にとっても憧れの存在だった。引退後も現在までフロントとしてプロ野球の世界を生きてきた。だからこそ、生き残るために何が必要かを知っている。「結果を頑張って出せと。何を言っても結果を出さないと誰も聞いてくれない。どうしたら成績を残せて1軍でチャンスもらえるかを考えて欲しい。“野球頭”というかね」。最終的な目的は結果を出し続けること。常に結果から逆算する“野球頭”を持つことの重要性を説いた。

幼少期から平内少年を知る伯父として、さらに王者ソフトバンクの育成部門のトップの目を持って、今後の活躍に太鼓判を押した。「自分がよくなるために、ということに関しては貪欲な子だからやっていけるんじゃないかな。一生懸命頑張れるのはもう知ってるから。あまり心配してないね」。度重なるケガを乗り越えた。ドラフト指名漏れの悔しさも乗り越えた。龍太なら大丈夫。伯父はそう確信している。【巨人担当=小早川宗一郎】

巨人平内(2021年3月17日撮影)
巨人平内(2021年3月17日撮影)