<ソフトバンク0-6西武>◇30日◇ペイペイドーム

ソフトバンクの敗色が濃厚となった9回裏。先頭打者で3番柳田が打席に入った。クリーンアップから始まる攻撃とは言え、重くのしかかる6点をはね返すのは厳しい。西武与座に3球で追い込まれると、最後は外角高めに来た131キロのボールに柳田のバットは空を切った。4回にも空振り三振に倒れ、6回は二ゴロ併殺打。またしてもサブマリンに幻惑され、珍しく柳田はバットをグラウンドにたたきつけ悔しさをあらわにした。

9回裏ソフトバンク無死、柳田は空振り三振に倒れて悔しがる(撮影・屋方直哉)
9回裏ソフトバンク無死、柳田は空振り三振に倒れて悔しがる(撮影・屋方直哉)

後半戦のスパートどころか、西武に連敗。初戦の千賀に続き、成長株の先発左腕の大関も3回持たず4失点KO。試合前。藤本監督は言っていた。「今日は高校野球で行きますわ。先制されるとシュンとしてしまうので。先行逃げ切り型で行ければいいなと」。もくろみは完全に外れた。描いたゲームプランもプレーボール直後に修正を余儀なくされるのだから、復元は難しい。7安打を放った打線だが、散発的ではホームも遠かった。今季11度目の完封負けを喫し、初戦の4回から15イニングの0行進となった。

固定メンバーが確立しない状態だけに、若手の奮起に期待したい。2戦で1番周東は7打席無安打。この日、8回代打で出場の野村勇が三塁打を放ち、気を吐いた姿を見ていると、リードオフマンとしての期待も膨らむ。3戦目は支配下登録されたばかりの黒瀬の一塁起用も念頭にある藤本監督だけに「代打陣」と位置付ける野村勇、野村大、黒瀬らのスタメン抜てきも打開策の1つではないだろうか。谷川原も途中出場でヒットを放っている。

「打線は水もの」とよく言われる。しかし、ただ待っても好転の兆しはそうそう訪れるものではない気がする。【ソフトバンク担当 佐竹英治】