京都は10年に1度の大寒波で一面銀世界となった。阪神岡田彰布監督(65)の京都後援会「メンバーズ80・岡田会」の監督就任激励会が24日、京都市内のホテルで行われた。岡田監督も「すごい雪やな。なんで今日に…」と驚く中、18年にノーベル生理学・医学賞を受賞した京大の本庶佑特別教授(81)や阪急阪神ホールディングスの角和夫会長(73)、吉田義男氏(89=日刊スポーツ客員評論家)ら約250人が集まった。

壇上であいさつした岡田監督は「後継者を選ぶ話は角会長ともしました。2人くらい名前が出ました。言えないんですけど」と、リップサービスし会場を沸かせた。12球団最年長監督は次期監督へレールを敷く役割も担っている。

「若い世代の、今一番近いのは年齢的にも2003年、2005年の優勝を経験した選手が、解説者として勉強したり、コーチや指導者で今どんどんプロ野球で活躍している」と、優勝メンバーが次期監督候補として近いとも話した。

本庶特別教授からも「黄金時代の出発としていただけたら」とエールを送られた。角会長は「空気を変えたいと優勝監督をお迎えした。(阪急出身の)杉山オーナーは監督がのびのび指揮が執れるように入ってもらった」と舞台裏を明かした。「岡田監督の信念を持たれた指揮、こういうものを若い選手たちが見習うラストチャンスという思いがあった」と勝ちにこだわる姿勢こそが、今のタイガースに必要だと見ている。

この日も岡田監督は「まだまだ全員が完成された選手じゃない。まだまだもつと伸びしろがある、若い。どこまで伸びるか分からない」と、任された今季のメンバーの成長が楽しみで仕方ない様子だった。矢野監督が残した強力投手陣と機動力をベースに岡田野球をたたき込む。他球団と戦力を比較しても十分に戦えるとみている。「今年からアレをやりますから期待してください。今年が一番チャンスですね」。アレの美酒を経験することは何よりも大きな経験となる。

「集大成というか、最後、野球界に恩返しをやらないといけない。ちょうど、年齢的にもいいかなと。最後の体力を振り絞って」と、強い決意でグラウンドに戻ってきた岡田監督の就任を祝うような真っ白な雪景色の夜だった。【阪神担当 石橋隆雄】