<ソフトバンク4-0ロッテ>◇31日◇ペイペイドーム

ソフトバンクが開幕戦を快勝で飾った。初の大役となった先発大関友久投手(25)が7回2安打無失点投球。打っては新4番の栗原陵矢外野手(26)が復活を告げる1号3ラン。投打に「今季に懸ける男」が躍動したのが何ともうれしい。左膝に大けがを負って昨シーズンを棒に振った栗原は長いリハビリを耐え、懸命に左膝をケアしながらもまだ不安とも戦っている。副キャプテンにも指名され、チームの精神的な支柱としての役割もあるだけに、プレッシャーは重くのしかかっているはずだ。

「3年ぶりですかね。いやあ、ほんときつかった。2時間くらいかかったですかね。でも気持ちよかったですよ。いいトレーニングになりました」。栗原自身のSNSにもアップしていたが、開幕を4日後に控えた3月27日、チーム休日を利用して福岡・筑紫野市と太宰府市にまたがる宝満山(標高829メートル)に登った。今季の完全復活を祈願する気持ちもあったのだろう。眼下に広がる筑紫野平野を見下ろしながら、爽快な空気を吸って「復活の日」に備えた。周東、川瀬、増田も同行。山麓にある竈門(かまど)神社では観光客にも気づかれたが「いやあ、僕よりみなさん『周東、周東』でした」と、WBCで世界一に輝いた快足男を横目に苦笑いで参拝した。下山後は、1時間ほど車を飛ばし福津市の宮地嶽神社にも足を運んだという。神頼み? が結実したわけではないだろうが、しっかりと開幕日に結果を出した。

チーム開幕ゲーム7連勝を紡いだ先発大関も昨年は7勝を挙げたとはいえ、精巣にできた腫瘍摘出で途中離脱を経験。前半戦6勝を挙げながら、後半戦は自らの投球ができなかった悔しさがあった。「今年は1年間を通じて活躍できる体作りを考えて取り組んでいます」。年末年始もしっかり体を動かし、1月の自主トレでは10回近くブルペン入りし、体を作り上げてきた。昨年暮れに担当の作山スカウトと食事を共にした。「あまり思い込まずに、と言われました。昔から考え込むところがあって。そういうところも改善していこうかと」。5回まで7三振を奪い、パーフェクト投球。甲斐のミットに懸命に投げ込む姿は名前通り「大関」の風格すら漂った。【ソフトバンク担当 佐竹英治】

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ソフトバンク対ロッテ ロッテに勝利し、巨大クラッカーで喜ぶ大関(左)と栗原(撮影・岩下翔太)
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ソフトバンク対ロッテ 6回裏ソフトバンク無死一、二塁、栗原は右中間に先制3点本塁打を放つ(撮影・梅根麻紀)
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ソフトバンク対ロッテ 6回裏ソフトバンク無死一、二塁、右中間へ3点本塁打を放ちガッツポーズをする栗原(撮影・屋方直哉)
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ソフトバンク対ロッテ 6回裏ソフトバンク無死一、二塁、栗原陵矢に先制3点本塁打を浴びた小島和哉(撮影・梅根麻紀)
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ソフトバンク対ロッテ 6回裏ソフトバンク無死一、二塁、右中間へ先制3点本塁打を放った栗原(右)は、牧原大(背番号8)らソフトバンクナインと笑顔でタッチを交わす(撮影・岩下翔太)
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ソフトバンク対ロッテ ソフトバンク先発の大関(撮影・岩下翔太)
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ソフトバンク対ロッテ ソフトバンク先発の大関(撮影・屋方直哉)
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