巡ってきた出番で結果を残す。ソフトバンク増田珠内野手(23)の勝負強さに目を見張った。
4月19日の西武戦(ベルーナドーム)だ。1軍昇格即、「8番右翼」でスタメンに抜てきされた。4回2死一塁から西武隅田の直球をとらえ、一時同点の適時二塁打で今季初安打をマーク。二塁ベース上ではWBC日本代表で大流行した「ペッパーミルパフォーマンス」に和風アレンジを加えたという「大根おろしパフォーマンス」まで披露した。
1-3の9回には守護神増田から今季1号ソロ。左翼スタンドへ突き刺し、一塁側ベンチ前では憧れの先輩で巨人松田の「熱男ポーズ」をさく裂させた。試合は1点差で敗れたものの、この試合チームの全打点を挙げる、2安打2打点の活躍。敵地で23歳の若鷹が強烈なインパクトを残した。
逆境で力を発揮できる者と、そうでない者。増田を見ていると、記者は紛れもなく後者だったと学生時代を思い出した。硬式テニスに明け暮れていたが、試合本番にめっぽう弱かった。アスリートとしては致命的で、緊張からラケットが振れない。落とせない局面でのダブルフォールトは鉄板。あまりにもメンタルが弱く「ノミの心臓」とまで周囲からやゆされたほどだった。だからこそ、増田のはつらつとしたプレーがまぶしく映った。
12球団屈指の戦力を誇る今年のチームだ。プレッシャーであったり、「結果を出さないと」という思いから気負いがあってもおかしくなさそうだが、「(2軍と1軍で)舞台が変わっただけで、野球は変わらない。今までやってきたことをやろうと。先に結果を求めたりせず、しっかり自分が打つべきボールを打つ」と増田はさらりと言い、その言葉を体現していた。
高卒6年目。今シーズン貫きたいものがあるという。「自分の一番の取りえは元気。どんな結果になっても(元気を)貫けるように、強い精神で1軍の選手になりたい」と意気込む。タカの「元気印」となり、今季大ブレークの予感を漂わせている。【ソフトバンク担当・佐藤究】




