広島戦でマツダスタジアムを訪れた際、新しい発見があった。球場内からベンチへ抜ける通路に、試合中のルールに関するポスターが貼られていた。壁際に張ってあるその内容に、ふと立ち止まってしまった。
目に留まったのは捕手のルールに関する欄。こう書かれていた。
「マウンドに行く回数は1試合3回(延長の場合は1回まで)」
審判員に確認を取ったところ、9回までに捕手がマウンドにいける回数は3回までなのだという。また延長戦に入るとそれまでの回数にかかわらず、1回のみ行くことが許される。
ただし投手コーチがマウンドに向かう時は別カウント。コーチは1人の投手につき1イニングに1回マウンドに向かうことが可能。その場合は、捕手の制限回数にはカウントされることはない。恥ずかしながら、どれも知らないことばかりだった。
嫌な流れを断ち切りたい時や投手との確認作業を行いたい時など「タイム」の役割は非常に重要になる。貴重な3回を選手はどう使っているのか。坂本誠志郎捕手(30)に尋ねてみた。
「僕が取れるタイムは後半、できれば5回以降。終盤の方に2回ぐらい取っておきたいイメージはありますね。やっぱり序盤と後半で、1点の重みが違うゲーム展開も多い。そういう時にとっておけるように」
1点で試合が決まりかねない終盤戦に、回数はできるだけ置いておきたい考え。それでも、回数を使いたくない場面で間を置きたい時なども当然出てくる。そういった場合には周囲の助けを借りるという。現状のルールでは内野手の軽い声掛けなどには回数が設けられていない。そのため自分の代わりに他の選手に軽く間を取ってもらうことなどもあるという。
もしくはベンチにヘルプを送るという方法もある。
「回数をとっておきたくて、安藤さんを呼ぶこともありますね」
自らがマウンドに向かう場合でも、投手コーチが輪に加われば捕手の制限にはカウントされない。そのため、あえて安藤投手コーチに来てもらうことで回数を取っておく技もあるのだという。
1試合で3回、最大でも4回しか使えないカードを一流捕手たちはどこで使うのか。そういった視点で試合を見ると、新たな楽しみ方にもつながるかもしれない。【阪神担当 波部俊之介】




