ヤクルトの人気マスコットつば九郎が、あと2試合で主催2000試合出場を達成する。94年のデビューから28年。多くの出会いの中から、特に思い出深い人物や出来事とは。また次なる目標はいかに-

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監督で真っ先に名前が挙がったのは、現GMの小川淳司氏(64)だった。

つば九郎 やっぱり、じゅんじさん。かんとくからはじめて、しょくじかいにさそってくれた。きゃんぷでおきなわにいったら2かいくらいはかならず。るーびー→あわもり→ちぇいさー→るーびー…ってずっとのんでたら、つぎのひ、しんぶんで「あいつとはもうのみにいかない」って。

小川GMとは96年の2軍コーチ時代からの長い付き合いとなる。

つば九郎 いまはふつうのおじいちゃん。「じゅんじいさん」って。あさどら「ちむどんどん」のはなしばっかり。「にいにいが、だめだ! あんなおとこ。でも、おまえにちょっとにてるんだよな…」って。おさけのんでだめなところが「なんかにくめないな、あいつ」って。ぼく、だめつばめじゃない!

元ヘッドコーチの宮本慎也氏(51=日刊スポーツ評論家)も思い出深い。

つば九郎 いんたいするときも、こーちやめるときも、かならずおしえてくれた。「ことしでたぶんやめるから」って。それで、はじめてまつやまのじしゅれん、みにいったら、とてつもないおにこーちだった。

宮本氏の現役引退時には惜別のフォトメッセージ動画を作成し、神宮球場の大型ビジョンで流した。

つば九郎 12じかんくらいかけてつくった。「かぞくみんなかんどうしたから、100てんあげる」って。はじめてほめられた。

リスペクトする宮本氏だが、唯一、優位に立てる時もあるという。クリスマス時期に中日ドアラと共演するイベントがある。

つば九郎 ねんに1かいだけ「でぃなーしょーのちけっと、とれないか?」っておねがいされる。そのときだけは、ちょっとうえからめせんで、ちけっとおさえる。

現職の高津監督とも関係良好のようだ。今季交流戦の勝利試合で、ヒーロー選手とつば九郎が一緒に写真を撮りタオルとして販売したが、高津監督のタオルが売り上げ1位だった。

つば九郎 「ほんとにおれが1い?」っていうからせつめいしたら「おれにかなわないのはだめだな」って。ちょっとてんぐになってたので「かんとくのぐっず、ふだんそんなうれてません。ぼくとこらぼしたからですよ」。そしたら「ばかやろう!」って。

チームが好調の中で大きな節目を迎える。次なる目標はどこに据えるのか。

つば九郎 これでいんたい? みたいなかんじだけど、あらたなもくひょうを。しあいすうは、みやもとさんをこえて、なかよしのかつおくんの200しょうのとき、ぼーどをもっていくかかりをやりたいな。

宮本氏は通算2162試合に出場。石川は通算182勝で達成は2年後か。チームを見守り続けてきたつば九郎。愛らしい大きな瞳で、次なる大きな野望を見据えた。【鈴木正章】

(つづく)

石川が200勝を達成したらボード係になる決意を表明するつば九郎
石川が200勝を達成したらボード係になる決意を表明するつば九郎