夏の甲子園を目指す熱い戦いが全国のトップを切って沖縄で開幕した。今年も先日(6月6日)、高校野球ファンのNさんから「お約束」の1通のメールが届いた。

 Nさんから「優勝校予想メール」が届くのは今年で5年連続。Nさんは毎年、地方大会開幕前に(代表が決まってからではない)夏の甲子園優勝チームを予想する。当初は「こんな予想当たるわけがない」と冷たい対応をしていたのだが、過去4年で外したのは2013年の前橋育英の1度だけ。ここ3年間はいずれも的中させている。予想の根拠は「企業秘密」とけっして明かそうとしない。ただ本来はおしゃべり好きなNさん。「桜美林が優勝した1976年以降、優勝校にはあるパターンが確立されています。例外は佐賀商(1994年)佐賀北(2007年)前橋育英(2013年)の3回だけ」とちょっとだけヒントをくれた。

 さて、今年の予想はどうか。例年10校程度を挙げ、この中から優勝チームが出れば的中となる。今年は8校を挙げてきた。

 【横綱】

大阪桐蔭(大阪=センバツ優勝)

健大高崎(群馬=センバツ8強)

秀岳館(熊本=センバツ4強)

 【関脇】

静岡(静岡=センバツ2回戦敗退)

 【前頭】

盛岡大付(岩手=センバツ8強)

早実(西東京=センバツ2回戦敗退)

滋賀学園(滋賀=センバツ2回戦敗退)

花咲徳栄(埼玉=センバツ不出場)

 Nさんのメールには「3強(大阪桐蔭、健大高崎、秀岳館)すべてが甲子園に出て、早い時期でのつぶし合いがなければ、3強のどれかで決まり。1つでも予選で負ければ、それ以外のチームにチャンスが出てきます」と付け加えられていた。

 名前の挙がった8校のうち7校までが今春センバツに出場し1勝以上を挙げている。唯一センバツに出ていない花咲徳栄にしても昨夏まで3季連続で甲子園出場。今春も埼玉県大会で準優勝し関東大会にも出場した強豪だ。果たしてこの8校のいずれかが99回大会を制するのか。それともダークホースが出現しNさんが涙をのむのか。楽しみに結果を待ちたい。

 ところで私の予想はというと、過去4年で1度も的中したことがない。昨年は横浜と履正社の2校を挙げた。両校とも甲子園には出場したが、優勝はできなかった。ただ、Nさんばかりが喜ぶのも悔しいので、今年も予想だけはしておきたい。

 今年の夏、なぜか編集局の臨時高校野球担当になってしまった。担当は埼玉県。こうなったら埼玉から優勝チームが出て欲しい。埼玉からは春の優勝校(大宮工、浦和学院)は出ているが、夏の大会ではまだ全国制覇の経験がない。

 全国47都道府県のうち、夏の優勝校が出ていないのは20県。ただし、この中で高野連加盟校が100校以上あるのは埼玉だけだ(163校=昨年データ)。先日、春の関東大会を制した浦和学院を取材した。森士(もり・おさむ)監督にこの件を質問すると「オレが悪いんですよ。たくさん甲子園に出させていただいているのに、ガハハッ!」と自虐的に笑った。それでも「しっかりと受け止めて、意識を持って打ち破れるよう、ただただ頑張ります」と話してくれた。

 今夏の埼玉は浦和学院と、現在夏の県大会2連覇中の花咲徳栄の2強と言われる。そういえばNさんの優勝校予想には花咲徳栄も入っていた。ほかにも春日部共栄、市川越、叡明、大宮東、聖望学園、埼玉栄など強豪がひしめく。さて、どこが甲子園切符を勝ち取るか。埼玉大会は7月8日に開幕し同26日が決勝戦。夏の甲子園は8月7日に開幕する。