西武山川穂高内野手(30)が12日広島戦で今季20号を放ち、18、19年に次いで3度目の両リーグ20号一番乗りを記録した。12日時点でセ・リーグトップの村上(ヤクルト)は19本打っていたが、パ・リーグ2位のレアード(ロッテ)はまだ11本。山川とは9本差あった。2位に大差をつけてリーグ20号一番乗りしたのが66年王(巨人)。王は6月25日に20、21号を放ち、2位は長嶋(巨人)とジャクソン(サンケイ)の9本だった。今季の山川は66年王に次いで2番目、パ・リーグでは最も差をつけた20号一番乗りとなった。

【イラスト】2位に大差をつけたリーグ20号一番乗り(上)、パ・リーグの球団別本塁打
【イラスト】2位に大差をつけたリーグ20号一番乗り(上)、パ・リーグの球団別本塁打

今季のパ・リーグは本塁打が少ない。26日現在の本塁打は合計265本(セは340本)。球団別に同試合消化時で昨年の本数と比較すると、増えたのは日本ハムだけで、リーグ全体では86本減っている。本塁打減少のパ・リーグで山川は現在24本放ち、2位は浅村(楽天)の12本。山川の本塁打はリーグ全体の9.1%を占め、2位に12本差をつけてホームランダービーを独走中だ。セ・リーグ1位の村上は現在26本だが、リーグ占有率は7.6%。リーグ占有率では山川が村上を上回っている。

【イラスト】2位に大差をつけた本塁打王
【イラスト】2位に大差をつけた本塁打王

2リーグ制後、本塁打のリーグ占有率が8%以上の打者は5人しかいない。占有率の歴代1位は11年中村(西武)の10.6%。統一球が導入され、パ・リーグの本塁打が10年の742本から454本へ減ったシーズンだったが、中村は「飛ばないボール」を苦にせず48本塁打した。通算868本塁打の王でさえ、占有率8%以上は、2位に大差で20号一番乗りした66年の1度だけだった。

11年中村は2位に23本差、66年王は22本差をつけてタイトルを獲得。2位と20本差以上の本塁打王はこの2人だけだ。山川は本塁打減少の今季も順調に1発を量産し、26日には日本人最速で通算200本塁打を達成した。山川が、先輩の中村がつくった「占有率」と「2位との差」の記録へどこまで迫れるか。【記録室】