最速163キロ右腕、大船渡・佐々木朗希投手(3年)が大学生を相手に1回を3者凡退に抑え、156キロ直球などで2三振を奪った。野球評論家の西本聖氏に佐々木の投球をチェックしてもらった。

-わずか12球の登板だったが、8球投げた直球はすべて150キロ以上をマークした

西本氏 改めて良いなあと。やはり高校生じゃ打てないなと。高校生の中では頭2つくらい抜けている。欲をいえばもう少し長いイニングを見たかった。

-投球フォームで注目した点は

西本氏 左足。着地した左足が動かない。動かないから軸がぶれない。普通、150~160キロ出す投手というのは上半身がどうしても暴れてしまう。大谷(エンゼルス)も力を入れると軸がぶれていた。バランスを崩して(右投手なら)一塁側に倒れる。上半身で腕を振ろうとするからだが、佐々木くんのフォームはそういう感じがまったくない。だから狙ったところに投げられる。腕の使い方も良い。肘も柔らかくムチを打つように使えている。良い物を最大限に使えている感じ。力感の無いフォームなのに160キロ近いスピードが出る。着地した左足が動かないことがすべてと言っていい。

-課題は?

西本氏 今日は1イニングだけだった。長いイニングを見てみたい。回復力がどれくらいあるか。ただ、この投げ方なら同じ200球を投げたとしても肩や肘にかかる負担は少ないのではないか。まだまだ成長するだろうし、さらに化ける可能性もある。本当に楽しみ。

-この試合では他にもドラフト候補の投手が登板した。大学代表の森下暢仁投手(明大)はどうだったか

西本氏 頭(上半身)が後ろに反るからボールが見やすいと感じた。プロの打者相手にその辺がどうなのか。

-興南・宮城大弥投手、創志学園・西純矢投手はどうだったか

西本氏 2人ともストライクをしっかり投げられていたしまとまっていると感じた。プロでも四球で崩れていく投手が多いのに、ストライクを投げられることは評価していい。