ロッテ伊東監督
ロッテ伊東監督

 季節はあっという間に9月の声を聞くところまで来ました。人によっては「あっという間」ではない方もおられるでしょうが、寄る年波? のせいか、最近は日々が過ぎ去るのが本当に早いなと感じています。

 気温はまだまだ暑いですが両リーグの順位は徐々にはっきりしてきました。クライマックス・シリーズに進出できるところとそうでないチームの色分けも見えてきました。

 そんな中、今季はちょっとめずらしいな、と思う事態が起こっています。

 ロッテ伊東勤、さらにヤクルト真中満と2球団の監督が辞意を明かしたまま、指揮を執る状況になっていることです。

 伊東監督は8月13日、地元での西武戦前に報道陣を集め、辞意を明かしました。「仙台で球団に今季限りでユニホームを脱がしてくれと言った。理由は成績が思わしくないこと。早い段階で決めていたけど言うタイミングがなかった」とコメントしたそう。同5日の楽天戦後に林球団本部長に伝え、この日朝、山室社長から了承されたといいます。

 一方、真中満監督は同22日、こちらも本拠・神宮球場での阪神戦前に今季限りでの辞任を発表しました。前日21日に衣笠球団社長兼オーナー代行が会談し、辞意が了承されたそうです。

 阪神戦前、取材に応じた真中監督は「(チームを立て直すために)現状ではきれい事では済まない部分もありますし、来季、もし、預かったところで、僕が勝つ自信がありません。そんな中引き受けても失礼だなと思いますので、そういう判断になりました」と説明しています。

 ちょっとめずらしい、と言うのは双方とも今季終了まで指揮を執るという点です。自分の取材経験からして、こういうのはあまり聞いたことがありません。

 プロ野球の監督が辞任、あるいは解任されるときのパターンというのは、まず報道が先になるケースが多い。そして実際に辞めることが決まっていても、公に明らかにはせずに監督を続け、シーズンも本当の終わりになってから、球団が明らかにします。

 また報道は別にして、実際にシーズン途中で辞任、解任を決め、対外的にもそれを認める場合、多くのケースは「休養」という形を取り、ヘッドコーチなり、2軍監督なりが「代行」という形で指揮を執ります。

 そういう感覚からすると、ロッテ、ヤクルトと2球団の指揮官が、同時にこういう状態になっているのはめずらしいと思って仕方がありません。

 いずれも本人が責任を取ると球団に申し入れ、球団が了承するという形なので、いわゆる円満退任ということでしょう。

 こういう形がいいのか、そうでないのか。正直に言って、分かりませんし、判断を下すようなことでもないのかな、と思います。ただ戦う側は複雑は気持ちかな、そうでもないのかなと考えたりはします。

 2人に共通しているのは監督就任即優勝という偉業を達成していること。伊東監督はロッテではありませんが、西武時代、現役引退して、すぐに監督となった04年にリーグ優勝、さらに日本一に輝いています。真中監督はつい最近、就任1年目の15年にセ・リーグ優勝を決めたばかり。

 すぐに結果が出たという共通項が今回の似たような行動につながっているのかどうか。なんとなく興味のあるところではあります。


ヤクルト真中満監督(17年8月17日撮影)
ヤクルト真中満監督(17年8月17日撮影)