子ども お母ちゃん、パンツ、破れてもうた。

母親 またか。

若い人はどうか知りませんが中高年以上の関西人なら誰でも聞いたことのある小ばなしです。念のため、パンツと股(また)をかけているのですが、これこそ蛇足ですね。そして、またパンツの話を書きます。

阪神の試合もないし、ソファでゆっくりしているとピンポンとインターホンが鳴ります。「はあい」。のっそり出ていくと宅配便のお兄さんが笑顔で、やや大きめの封筒を渡してくれました。

ネット通販で買い物をすることをスマホの操作から引っかけて「ポチる」と言うそう。しかし最近、ポチった覚えはない。また娘たちかいな? と思ったら自分宛てでした。

阪神球団、河内英人営業部課長からの届け物です。河内課長は以前、現場で広報として活躍していたのでよく知る仲。そうなると中身はすぐに想像がつきます。「あれやな」。

はたして「矢野燿大監督勝負パンツ第2弾」(税込2400円)でした。阪神の公式サイトなどで18日に発表されたものですが、いち早く送ってきたようです。今回は、赤に黒いシマ模様が入ったデザインです。

許認可事業を巡って接待疑惑だ、なんだと騒がしい世の中で球団からパンツをもらうとは。なんたる「癒着」。いや、まあ、これはちょっと違うような気もします。

矢野監督の勝負パンツ=赤パンツと言えば、虎党ならおなじみでしょう。就任1年目の19年、広島とAクラス争いをしていた終盤に「験担ぎ」のため監督自身がはいていることを明かしました。

さらにCSファーストシリーズでDeNAを2勝1敗で振り切ったときもユニホームの下にはいて「赤パン大作戦ですわ!」と興奮していたものです。

それを受け、球団は昨年開幕前に第1弾を発売。「勝負パンツを履いて僕たちと一緒に戦ってもらえたらうれしい」と同監督もコメントを寄せていました。その効果か、パンツはすぐに完売したそう。

気をよくした営業部では夏場にも第2弾を狙っていたようですが、すでに巨人の優勝が間違いない状況だったので、さすがにここでは…と控えたという裏話もあるようです。

そして今春。大物ルーキー佐藤輝明も楽しみだし、今年こそ、阪神、本当にやってくれそうな気もするでえ…というこのタイミングで第2弾となりました。

ここで買って優勝すれば「実は、あのとき、ワシなあ~」と、あとで自慢できるかもしれません。もちろん、できないかもしれません。

お客さん 矢野監督の赤パンツちょうだい。

球団 売り切れました。

お客さん またか。

限定販売なので油断すると、こういうことになりかねません。知らんけど。

「矢野燿大監督勝負パンツ第二弾」の販売が決定した(球団提供)
「矢野燿大監督勝負パンツ第二弾」の販売が決定した(球団提供)