甲子園球場で子どもたちが笑顔で走り回った。3日、日本高野連などが主催し、子どもたちに野球の楽しさを伝えるイベント「甲子園キッズフェスタ」が開催された。

北海道から鹿児島まで、全国から小学1年~4年生121人が集まった。高校野球200年構想として、野球人口、底辺拡大の一環で昨年春に続き2度目の開催となった。本来は昨年7月に予定されていたが、台風のため中止。その時に当選していた子どもたちに再び声をかけると9割が集まったという。さらに追加募集したが、倍率は6~7倍にもなった。

渡辺元智横浜元監督(75)山下智茂星稜名誉監督(74)ら強豪校の超一流指導者8人が集まり、コーチとして子どもたちを見守った。軟らかい球を使ってキャッチボール、ティー打撃などを約1時間半たっぷり行い、最後は試合のおもしろさも知ってもらうためにティーボールの「どか点ゲーム」で盛り上がった。渡辺横浜元監督は「よかった。最高。大成功。子どもたちは楽しむのが一番。おとなしい子に声をかけたら『楽しい』と言ってくれた」と喜んだ。

コーチとして参加した今治西の大野康哉監督(48)は「今日、ここでやったことを我々が地方に持って帰ってやらないとダメだと思う」と力説する。小学生たちは憧れの甲子園球場の芝、土を踏みグラウンドの広さを感じ、目を輝かせていた。関西地区の7校の球児たちも手伝いイベントを成功させた。回数を重ね、全国でも「キッズフェスタ」が広がり、野球を知るきっかけが増えることを願っている。【アマ野球担当=石橋隆雄】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)

甲子園球場で行われた「甲子園キッズフェスタ」(2019年11月3日)
甲子園球場で行われた「甲子園キッズフェスタ」(2019年11月3日)