適当なことを書いたのでフォローしておかないといかん。そう思って中日側へ顔を出した。5日のゲームは初登板のハートウィグが1イニングを投げただけで3四球を出しながら無失点で逃げ切り、勝利投手に。それを受け「ひょっとしたら中日のルーキー金丸夢斗は腰を抜かしているかもしれない」と書いたのだ。

金丸は今季9試合に先発し、好投を見せることが多いものの結果は0勝4敗。打線の援護を受ける機会が少ないことが理由だろう。だからハートウィグの勝利を受け、そう思ったのでは…と妄想したのだ。

金丸にその話をすると「ワオ! 本当ですね」とさわやか。新人だし、投手と打線の歯車が合わないことはよくあること。こればかりは不満に思っても仕方がない。視線は次に向いている…と感じた。

そして7日の第3戦、その金丸が阪神戦初登板だ。虎党ならご承知だろうが、昨年のドラフト会議、阪神の1位指名は金丸だった。地元・関大のエースに加え、阪神でコーチなどを務めた球界のレジェンド・山口高志とも縁が深い。関係者も期待したがクジに勝ったのは中日だった。

その金丸が10度目の正直…という言葉はないが初勝利をかけ、阪神戦に登板する。7月17日に甲子園で予定されていた同カードで先発する予定だったのだが、その試合は雨天中止になった。そして7日、阪神の先発は伊原陵人だ。これも言うまでもない、伊原は金丸を外した後に阪神が1位指名した選手である。ある意味、因縁の対決だろう。

「学年は違いますけど同じ関西で野球をやってたんで。すごいボールだったり、投手としての良さだったりっていうのは感じてました。いまは負けたくない思いもありますし、同じ日に投げることもなかなかないと思うので」。

7日を前に伊原はこう話している。阪神が1位指名をクジで外した投手と、その後に1位指名した投手が先発で投げ合うのは14年に広島・大瀬良大地と岩貞祐太が投げ合って以来、11年ぶり。伊原の言う通り「なかなかないこと」だ。

そのときの気分を岩貞は「すごく意識しましたよ。仲良かったしね。1位どうこうは気にしなかった」と言った。1位と外れ1位…と言えば気分はよくないかもしれないが、それもプロの宿命。阪神が勝ち越しを決めた今、ここはじっくり投げ合いを見たい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)