「おっ」と思ったのは2回、阪神の守備だ。中川圭太の三ゴロ。サードでスタメンの佐藤輝明がこれを難なく処理した…と思いきや、一塁送球がホーム側にそれてしまう。大山悠輔がタッチにいったが判定はセーフ。佐藤輝にオープン戦初の失策が記録された。

OP戦初と書いたが侍ジャパンのメンバーとしてWBCに参加していた佐藤輝は守備機会そのものがOP戦初。合流即スタメンとなった17日のロッテ戦でも三塁でスタメンだったが序盤に交代し、守備機会はなかった。18日はDHだ。

初の守備機会で失策なので守備率は「0%」ということになるのか。もちろん、わずかな機会でそんなことを言っても何の意味もないのだが「悪送球」というところがなんとなく懐かしいような気もする。

「(WBC球との違いは)まあ関係ないですね。課題が見つかったので、また頑張ります」。佐藤輝は虎番記者の取材にそう答えた。そんな佐藤輝にかつて「守備は下手じゃない」と言った男がいる。前指揮官・岡田彰布のとき内野守備コーチを務めた馬場敏史だ。

コーチとして佐藤輝にノックをする日々で「ヘタじゃないよ。(グラブの)ハンドリングなんかかなりうまい」と説明したものだ。あえて言えば送球が乱れるケースが多かった。自身ワーストのシーズン23失策を記録した24年、半数以上が送球エラーだったと記憶している。

それでも佐藤輝は守備難を克服。昨季は実に6失策にまで激減させ、ゴールデングラブ賞に輝いた。それには現在の内野守備走塁コーチ・田中秀太とのキャンプからの練習も力になったはずだ。

今年はキャンプ途中で侍ジャパンに合流した。監督経験のある球界OBはこんな話をする。「代表は野球人気に貢献するので文句なんてないんだけれど、チーム側からすれば選手の調整はやはり心配になる」-。

あれだけシーズンで毎日野球をしていて、それでも2月になればキャンプで練習に次ぐ練習の日々。そんなにしなくてもできるでしょ…と思うのは素人で、やはりプロは厳しい。

開幕まであと1週間。経験を増やした佐藤輝はその期間で打撃はもちろん、守備も仕上げてくるだろう。この日の悪送球で「あかんぞ」とミスが多かった頃の気持ちを思い出し、あらためてウェーク・アップといってほしい。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)

オリックス対阪神 1回裏オリックス無死、宗は右越え三塁打を放つ。三塁手佐藤(撮影・加藤哉)
オリックス対阪神 1回裏オリックス無死、宗は右越え三塁打を放つ。三塁手佐藤(撮影・加藤哉)