最速151キロを誇る東海大相模(神奈川)・小笠原慎之介投手(3年)が、関東第一・オコエに真っ向勝負を宣言した。「オコエ選手が1番、ずばぬけている。そこを抑えたい」。空振りの取れる自慢の直球で、同じくドラフト候補に挙がるライバルを封じ込める。

 準決勝を翌日に控え、兵庫・西宮市内で最終調整し、小笠原、吉田凌投手(3年)はブルペン入りせず、遠投やランニングで汗を流した。準々決勝の関東第一-興南戦は、1人部屋のホテルの自室で見た。「相手(関東第一)が苦戦していたので、バッターが丸裸になっていた。焦った顔とか、その様子を見ていた」。

 同じ左腕である興南・比屋根の配球ではなく、打者の顔を見ながらウイークポイントを確認。イメージを膨らませたが、オコエに対してはデータを一時封印した。「自分の長所である真っすぐで押していきたい」。かわす投球はしない。どっしりした下半身を使って、重たい直球を投げ込む。

 準々決勝までの3試合、先発、救援と休みなくマウンドに上がり14回を投げ2失点。エースとしてフル回転する。「一戦必勝。目の前の試合をしっかり戦っていきたい」。高校NO・1左腕が、自身とタテジマのプライドをかける。【和田美保】

 ◆東京対神奈川 春夏通算で神奈川の7勝6敗と、ほぼ互角。過去13度のうち10度は8強以上で対戦。80年夏は1年生の荒木大輔を擁する早実が横浜・愛甲との「京浜対決」で話題に。