5盗塁と機動力が光った北海道栄は、札幌清田に逆転勝ち。前身の北海道日大時代を含め、10年ぶり5度目の決勝へ進んだ。

 勝利を呼び込む1年生投手、北海道栄の北村悠貴が、10年ぶり決勝進出へチームをけん引した。2点目を失った3回。なおも2死一、三塁で3番手として登板。後続を打ち取り流れを絶つと、直後の攻撃で一挙5得点の逆転につなげた。6回1/3を無失点。準々決勝の白樺学園戦でも2点ビハインドの8回途中で登板し、直後の9回に4得点で逆転。マウンドに立てば白星を招く右腕は「粘って投げていこうと思った」と味方打線を信じて腕を振った。

 家族の思いを背負う。兄大紘内野手(3年)と甲子園を目指すため、後を追って長万部町から進学。夢をかなえられず、今夏引退した兄から前日夜に「俺の分も頑張ってくれ」とエールを受けた。ロング救援で左腕エース金沢祐太(2年)の温存にも貢献した。前身の北海道日大時代の80年以来、秋全道は35年ぶりの頂点まであと1勝。「自分たちが兄や先輩たちの分もやり返す」と力を込めていた。【保坂果那】