三田学園のエースと主将が、近鉄でプロ通算225本塁打の羽田監督に、公式戦1、2号アーチをプレゼント。相生学院の河上敬也監督(57)が、北照(北海道)を春夏8度甲子園へ導いた経験があり、両監督の采配も注目を浴びた中、緊迫した試合を2-0で取った。

 2回表先頭で4番の高田哲平投手(3年)が左翼へ場外弾。両翼91メートルフェンス奥の防御ネットを越えると120メートル級といわれる。羽田監督が昨年2月に就任し、初めて公式戦のベンチで見る本塁打。喜びが大きい1発に、監督は「打つべき人が打ってくれると、チームの勢いも出る」。9回には、1死から主将の辰己友崇遊撃手(3年)が左翼越えソロ。夏3勝目をたぐり寄せ、監督は「あそこでホームランとは予想外」と二重の喜びを味わった。

 高田哲、辰己自身も公式戦初本塁打。「直球狙い。(監督に)ナイスバッティングと言われ、うれしかった」と笑顔の高田哲は、この夏初完封。辰己は「守りに入ったらいけない展開で、打席でも思い切り振った結果です」。猛牛軍団で活躍した監督がナインの攻めの姿勢を引き出し、4回戦へ進んだ。【宇佐見英治】