最後の夏はほえるでなっしー! 東邦(愛知)の「ふじっしー」こと藤嶋健人投手(3年)がプロ4球団のスカウトが見守る中で先発し、初戦を5-0で快勝した。7回を4安打8三振無失点。スカウトのスピードガンで最速142キロを計測した。

 雄たけびが球場に響き渡った。初回、四球と安打で無死一、三塁のピンチを背負うとスイッチが入った。渥美農の主軸をナックルカーブを武器に3者連続空振り三振。三振を取るたび藤嶋の声も自然とボリュームアップ。「プラスに乗っていけたらと思って。夏は雰囲気に乗ったもの勝ち」とスコアボードに「0」を並べた。

 4番としては3打数無安打に終わった。しかし、2回の第1打席では左腰へ死球を受け出塁。押し出し四球で先制の本塁を踏むと「ヨッシャー!」と喜び全開。一気に「東邦ムード」になり、この回5点を奪った。

 甲子園デビューした1年夏は、雄たけびを上げる姿が目立った。しかし今センバツではポーカーフェースで投げる場面も。「また、みんなで甲子園に行きたい。その気持ちを前面に出して1戦1戦やっていきたい」。自身3度目の聖地に向けて原点回帰でスタートを切った。【宮崎えり子】