「第2のノリ」育てます! 近鉄、中日などで活躍し、4月から浜松開誠館高(静岡)野球部非常勤コーチを務める中村紀洋氏(43)が1日、浜松市の同校で就任会見に臨んだ。

 豪快なフルスイングでプロ通算404本塁打を放った中村氏は「思い切りよくスイングできるように、できるだけ分かりやすく、簡単に教えていきたい」と意気込みを語った。今年2月から指揮を執る元中日の佐野心監督(50)から打診を受けてのコーチ就任。4月末までに3回の打撃指導を行い、自らバットを振って手本を示した結果、ここ1カ月の練習試合でチームは10本塁打を記録。佐野監督も「数字でも明らかに効果が出ています」と驚くほどの成果だ。自らの独特なフォームについては「まねしなくていいです」と苦笑するが、「シンプルに上から下に強くたたくことが大事」と基本から教え込む。

 同校は甲子園出場はなく、最高成績は16年夏の県4回戦。兵庫県在住の中村氏の指導は週末を利用した月に2、3回程度になる見通しだ。14年オフにDeNAを退団後は「生涯現役」を掲げてきた中村氏は「もう走れませんし(選手として)活躍はできないですが、チャレンジし続ける意味ではまだまだ『生涯現役』です。子どもたちの成長を見るのは楽しいですね」と笑顔で話す。今後は指導者としての活動をメインに、強打者育成に励んでいく。【鈴木正章】

 ◆中村紀洋(なかむら・のりひろ)1973年(昭48)7月24日生まれ、大阪市出身。渋谷高2年夏に甲子園出場。91年ドラフト4位で近鉄入団。00年に本塁打、打点の2冠。01年に打点王。05年ドジャース移籍。その後はオリックス、中日、楽天、横浜(現DeNA)でプレーし、日米通算404本塁打、2106安打。14年オフにDeNAを自由契約となり、現在は兵庫・西宮市でスポーツスタジオを運営。小中学生を対象とした野球教室も行っている。16年2月に学生野球指導資格を回復。180センチ、93キロ。右投げ右打ち。