<秋田>

 9年ぶりに春優勝を飾った明桜が本命だ。最速145キロを誇る2年生右腕の山口航輝は181センチ、85キロのどっしりした体格から6種類の変化球を操る硬軟自在の投球が持ち味。来年のドラフト候補だ。今春から指揮を執る輿石重弘監督(54)は帝京三(山梨)でも監督を務めており、采配が見ものだ。

 明桜以外の公立勢は横一線で、県南勢が優位だ。昨秋48年ぶりに秋を制した横手は185センチの長身右腕貴俵健(3年)と主将の伊藤蓮外野手(3年)の2本柱が健在。昨夏決勝敗退の角館は二塁手との二刀流エース鈴木佳偉(3年)がチームをけん引する。春の県大会出場を逃した大曲工は、最速143キロのプロ注目右腕藤井黎来(3年)の復調次第で2年連続の夏が見えてくる。県北の能代松陽は、165センチながら力のある球を投げるエース左腕佐藤開陸(2年)が魅力だ。

<宮城>

 仙台育英が東北大会で秋春連覇を達成した過去3度の世代は、すべて夏を制している。主将のリードオフマン西巻賢二内野手(3年)と、エース左腕長谷川拓帆(3年)の投打の柱が盤石だ。春の東北大会準決勝では杉山拓海外野手(3年)が逆転サヨナラ3ランを浴びせ「永遠のライバル」東北を下した。その東北は2年生左腕2枚が立ちはだかる。182センチ、80キロの大型エース葛岡仁と「2代目メガネッシュ」こと古川原将真が伸び盛り。持ち前の強打とかみ合えば2年連続の夏が見えてくる。

 春準優勝の東陵は遊撃との二刀流エース佐藤瑞輝(3年)が2番に座り、投打に貢献する。公立勢には3年生の好投手が勢ぞろい。仙台のプロ注目最速144キロ左腕の佐藤隼輔、仙台商のエース左腕乙戸詠央、春3戦連続で完封した石巻工の森勇樹、柴田のエース右腕岩佐公太にも力がある。