東海大菅生(西東京)が日大三の春夏連続甲子園の夢を砕いた。背番号11の右腕、松本健吾投手(3年)が8回を被安打3で0封。10三振を奪った。最速142キロの速球に、スライダー、スプリットをまじえ、つけいるスキを与えなかった。松本の力投に打線も呼応して5-0で快勝し、ベスト4を決めた。過去3年連続して決勝で敗退しているチームが難敵を倒し「4度目の正直」へ、大きな手応えをつかんだ。

 東海大菅生の校歌を聞いてベンチを出た若林弘泰監督(51)が開口一番、松本の名前を挙げた。「今日のポイントは、松本が試合をつくってくれるかどうかだった。100点満点です」と絶賛した。

 強打の日大三に三塁を踏ませなかった。「行けるとこまで行こうと全力で投げました」。松本が全116球を振り返った。四球もわずか1。「ストライク先行で投げました。スピードは気にせず丁寧に。キレがあったと思います」。自己最速に3キロ届かなかったが、納得の表情で続けた。

 大会前、松本はこんな目標を掲げていた。「東海大菅生の1番をつけて甲子園に行く」。1月に左足を痛め、満足に走ることもできなかった。「できることをやろうと、体幹トレはやりました」。春の都大会は20番で辛うじてベンチ入り。4回戦で4番手として2イニングを無失点に抑えた。しかし3-4で敗れた。その相手が日大三だった。リベンジへの思い、1番を逃した悔しさを投球にぶつけた。「春負けたし、今日は自分が(先発で)行くつもりでした」と言い切った。