2年ぶり26度目出場の仙台育英(宮城)は、11日の大会第5日第1試合で滝川西(北北海道)と対戦する。

 仙台育英は日程的に恵まれた。1日に全49代表最後となる出場を決めた西巻賢二主将(3年)は5番目にくじを引き、直前4番目に引いた滝川西の隣を引き当てた。最短で対戦相手が決まった佐々木順一朗監督(57)は「ドキドキはしなかった」と素直な感想を口にした。続けて「代表が決まったのは最後だったけど、対戦カードが決まったのは一番最初。終わってみたら吉兆のサインだった、と言えるようにしたい」と前を向いた。

 本番までの1週間で戦闘態勢を整える。準決勝再試合を含む3連戦では、2人の選手が熱中症により救急車で運ばれた。前日3日には点滴を打って、急ピッチでコンディションを整えている段階だ。西巻は「少し時間があった方がいい。悪くはない」と日程を歓迎した。決勝まで3日連続で先発したエース左腕長谷川拓帆(3年)は、この日の午前に行われた甲子園練習で元気に投球練習を行い「しっかりベストの状態にしたい」と本番を見据える。

 佐々木監督の脳裏には既に勝利のシナリオが描かれていた。ミラクルを続けて19年ぶりに勝ち上がった相手に対し、同監督は「粘り強い。1戦1戦成長して勝ち上がってきている。仕掛けて揺さぶっていく」と宣言。2年ぶりの夏の甲子園で、タクトがさえる。