日大山形の渡部雅也捕手(2年)がチャンスで1本を放ち、夏への自信を得た。

 4回表、先頭で二塁打を放ち出塁し先制のホームを踏むと、同点の5回には1死三塁で中前にはじき返し2-1と勝ち越した。チームは6回裏に逆転を許し3-5で惜敗したが、強豪智弁学園(奈良)と互角に戦った。

 体作りが一冬越えて生きた。かがんだ状態から重りを引き上げるウエートトレーニングを続け、昨夏の180キロから今では220キロを持ち上げるまでになった。インパクトの瞬間に、鍛えた背中を反らして打つフォームを確立し「以前より打球が飛ぶようになった」。2安打に、その努力が詰まっていた。あえて甲子園の土は持ち帰らない。「今年の夏、またここに戻ってくるため」。敗戦を糧に進化し、雪辱を果たしてみせる。