来春センバツ出場を懸けた第71回秋季高校野球東海大会が20日、三重・津市営球場ほかで開幕する。3年連続のセンバツ出場を目指す静岡(静岡3位)は、20日の1回戦で中京大中京(愛知2位)と対戦。夏目武尚一塁手(2年)が4番の役割を果たし、チームを東海大会3連覇へけん引する。

静岡の主砲として、夏目が人一倍強い思いを胸に東海大会に挑む。3連覇を目指す戦いを前に、意気込みを語る言葉にも覚悟がにじんだ。「どこが相手でも闘志を前に出して、4番の仕事を果たしたいです」。

県大会では、打率3割2分3厘の成績を残した。だが、名門の4番として満足はできなかった。2回戦の浜松商戦、1点を追う3回2死一、三塁の好機で三振に倒れるなど、大会を通じてチャンスで結果を残せなかったからだ。「緊迫した場面で強気になれず、1歩引いてしまう心の弱さが出てしまいました」。チームは3位で東海切符をつかんだが、夏目自身には悔いが残った。

栗林俊輔監督(46)からも指摘される「弱さ」を克服するため、日々の練習から意識を変えた。夏目は「監督からも、『何事にも攻めの意識で臨め』と言われているので、実践しています」。ノックから闘志を前面に押し出し、必死にボールに食らい付いた。

理想の4番像には、1学年上の成瀬和人(3年)の名前を挙げる。「成瀬さんはチャンスに強く、チーム全員から信頼されていました。自分もそういう打者になりたいです」。8月には副主将にも就任し、チーム内での責任はより増した。夏目は「東海大会では、優勝を目指します」と心強い言葉を口にした。チャンスで結果を残し、チームを大舞台へと導く決意だ。【河合萌彦】