夏の甲子園に4年連続出場中の花咲徳栄(埼玉)が29日、年内の練習を打ち上げた。

冠雪した富士山が左中間後方にそびえる同校グラウンドで、寒波に負けじと打撃練習や特守に励んだ。岩井隆監督(48)は「あくまでも年末時点での話だと、打者の仕上がりは(夏の甲子園で優勝した)一昨年のチームより上」と迷いなく言った。

今秋は県大会3回戦で埼玉栄に逆転負けを喫したものの、高いレベルの打撃を見せていた。プロ注目の韮沢雄也内野手(2年)が今夏に引き続き「3番・遊撃」で固定される。「自分が決めるというより、つなぐ意識で打ちたい」と広角に打ち分ける。

4番には今夏、甲子園でも活躍したスラッガー、井上朋也内野手(1年)が座る。守備も右翼から三塁にコンバート。「4番サード井上」として、高校野球2年目を勝負する。「責任あるポジション。チームに迷惑をかけないようにプレーしたい」と意気込む。現在、高校通算16本塁打。「来年で50本に乗せたいです」と目標は高い。

強打の羽佐田光希主将(2年)が夏に引き続き、5番を任される。三塁から、中学時代に慣れ親しんだ二塁にコンバートされた。「もっとパワーをつけて、もっと長打を」と、チーム全体に目を配らせながら、己も高める。

夏の1番打者、橋本吏功(りく)外野手(2年)は「恐怖の2番」を目指す。50メートル6秒0の俊足に加え、高校通算21本塁打。今夏の甲子園では、横浜(神奈川)の最速153キロ左腕、及川雅貴投手(2年)からも本塁打を放った。「長打も小技もある、いやな2番になりたい」と腕を磨く。

中軸4人の高校通算本塁打合計は50本。前チームの主砲・野村佑希(日本ハムドラフト2位)は通算58本。「野村さん1人にも及ばないです」と橋本は笑うが、その野村もかねて「打線は新チームの方が強力かもしれません」と期待していた。練習納めのこの日も、日没近くまで振り込んだ。夏に花咲かせるべく、冬の鍛錬は続く。