54年ぶりの春4強入りを目指した市和歌山は、好投手飯塚を攻略できず、逆転負けを喫した。半田真一監督(38)は、対戦相手の習志野を「すごくいいチームだった」とたたえた。

初回、相手先発の変則右腕岩沢知幸(3年)の立ち上がりを攻め、4連打3得点で逆転に成功した。

しかし、2回から2試合連続無失点中のエース右腕、飯塚脩人投手(3年)にスイッチすると、打線が沈黙。球威のある直球に対応しきれず、8回を4安打9三振と封じられ、追加点を奪えなかった。

投げては、先発の右腕柏山崇(3年)が3回1失点。試合前からの予定通り、2年生エースの左腕岩本真之介に継投した。2番手岩本は毎回走者を出す、苦しい投球。5~7回と1点ずつ失い、逆転を許した。

半田監督は飯塚について「要所で素晴らしいボールが来ていた。なかなかつないで攻撃することができなかった。ナイスピッチングだったと思います」と、実力を認めていた。

次第に習志野打線に追い詰められた。「そつのない野球をされる。足を絡めて、嫌らしくしつこい逆方向へのバッティングもあった。本当に見習うべき点がたくさんあった。僕たちもしっかり、ああいうチームになれるように頑張っていきたい」と、指揮官は賛辞を送った。

少しは疲れもあったというリリーフの岩本については「失点はしているが自滅ではなく、最少失点で各イニングを切り抜けられたことは収穫」と、成長の手応えもつかんでいた。

星稜との2回戦で「サイン盗み」の疑惑が巻き起こった対戦相手に対し、その影響は「全然ないです」。選手についても「気にせず、気にもならずにやってくれたと思う」と話した。

半田監督は試合前に選手には「自分たちとしては(騒動を)気にせず、普段やっているように正々堂々やろう」と声をかけたといい、あらためて「素晴らしい野球をされるなと思って見てました」と、習志野野球について素直な感想を述べた。