恩師と先輩の言葉を胸に、明豊(大分)が初の頂点を目指す。センバツ大会準決勝を控えた1日、初めてベスト4進出を決めた明豊ナインは、西宮市内のグラウンドで約2時間の調整を行った。

この日の朝、川崎絢平監督(37)のもとに智弁和歌山時代の恩師、高嶋仁・智弁和歌山名誉監督(72)から電話があった。「ここからは勢いがある方が有利。見た限り、勢いはあるみたいなのであとは選手が勝手にやってくれる」と“金言”をもらったという。3月31日の準々決勝では、智弁和歌山時代の先輩、中谷仁監督(39)が明石商にサヨナラ負け。この日の練習のため移動したバスのなかで連絡をとり「悔しい。優勝してくれと言われました」と励ましの言葉ももらった。

調整を行ったナインを見た川崎監督は「選手はまだ4強で満足せず、ギラギラしている。夏のための経験をしながら勝っていければいい。ここまで来たら選手を信じて戦うだけです」と淡々とした口調の中にも、優勝への静かな闘志を燃やしていた。