東邦のアルプススタンドに響いた大阪桐蔭との「TT応援」と、習志野「美爆音」も平成最後のセンバツを盛り上げた。

今大会、東邦マーチングバンド部がアメリカ・フロリダ遠征のため準決勝まで演奏することができなかった。他の高校に応援演奏を依頼するも断られ続け、ダメ元で声をかけた強豪大阪桐蔭吹奏楽部が依頼を快諾し、今回の友情応援が実現した。

初戦から準々決勝まで3試合は大阪桐蔭が演奏を行い、準決勝(2日)から2校による合同演奏となった。この日は大阪桐蔭120人、東邦34人の合わせて154人が上質な音色を響かせた。

東邦マーチングバンド部部長でクラリネット担当の伊藤結芽さん(3年)は、優勝という結果に「最高です。昨日(2日)よりも息の合った演奏ができた。勝利の後押しができたと思うので、とてもうれしいです」。

友情応援でサポートした大阪桐蔭吹奏楽部部長でトロンボーン担当の井上里菜さん(3年)も「最初に応援している時は、まさか決勝で一緒に応援して優勝してるなんて。ほんとに夢みたい。自分の学校のようにうれしく思ってます」。

東邦の伊藤さんは友情応援の大阪桐蔭に「自分たちが遠征に行っている時から、ずっと演奏してくださって、自分たちも安心して遠征に行くことができた。初戦から応援をしてくれて『ありがとう』という気持ち。今日勝てたのも、大阪桐蔭の方の力がとても大きいと思うので、感謝の気持ちでいっぱいです」。言葉をかけられた大阪桐蔭の井上さんは「(自校が)センバツに出られないと知って、甲子園で吹けないことにみんなで残念だなと思っていた時に、声をかけていただいた。東邦高校さんのおかげで私たちは今、こうやってうれしい気持ちで何回もアルプスで演奏できた。私も、感謝の気持ちでいっぱいです」。

互いの技術も吸収し合い、貴重な経験になったという2人。夏は、両アルプスに分かれての再会を誓った。伊藤さんは「今回の演奏で学べたところを自分たちのものに早くして、夏までに大阪桐蔭の方に負けないような演奏ができるように、技術を磨きたい。これからも大阪桐蔭の方と良い関係で同じ音楽をやっているもの同士、頑張りたいなと思っています」。

井上さんは「もし、(東邦が)相手になることがあるんだったら、ちょっと複雑というか切ない思いもあるんですけれど、その時にお互いをたたえあえるようないい応援ができるよう、これから夏に向けて頑張っていきたいと思います」。 春の仲間との、夏の再戦に向けて、さらなる技術向上に励む。【奥田隼人】