盛岡四も第2シードの意地を示した。0-2の9回無死二、三塁で横山慶人捕手(3年)が159キロの直球を捉えた中前2点適時打で同点。

「159キロだったと聞いてビックリ。野球人生で一番いい当たりでした。楽しかった」と延長戦に持ち込んだ。

9回終了時には満員の大観衆から大きな拍手。佐々木の投球をもっと見られる歓迎もあったが、94年の岩手県最後の公立甲子園出場校への称賛でもあった。10回には先頭の岸田直樹内野手(3年)が、左翼ポール際に大ファウルを放つなど、もう少しでサヨナラ勝ちの場面も。8回に160キロを体感した岸田は「足元かと思ったけれど、グッと浮き上がって伸びてきた」と表現した。

組み合わせ決定後から佐々木対策はしてきた。初回に2番高見怜人外野手(3年)が秘策を繰り出した。バットを短く持って低く構え、甘いボール以外はカットして出塁を試みた。だが、2度のファウル後に球審から「しっかり振りきりなさい」と注意を受けて断念。「マシンの距離を近くして160キロ以上を想定した練習をしてきたが、伸びやキレが全然違った」と完敗を認めた。【鎌田直秀】