勢いに乗る金光大阪が12年ぶりの夏の甲子園出場切符を視界に捉えた。準決勝で春大阪3位の東海大大阪仰星を7-0の7回コールドで撃破した。

「サヨナラスクイズ男」が猛攻の口火を切った。26日の大阪桐蔭との激闘でサヨナラスクイズを決めた戸村遥也内野手(3年)だった。3回、先頭打者として左越え二塁打で出塁。チーム初安打で、横井一裕監督(44)は「打ってくれてみんな勇気が出た」と振り返った。その言葉の通り、この回打者一巡の攻撃。相手失策で先制した後、なお満塁で、3番佐々木慶矢内野手(3年)が左越え2点二塁打。さらに1点を追加し、とどめは5番鰺坂由樹外野手(3年)の2ランで一挙7得点のビッグイニングをつくった。

ドラフト候補と呼ばれる選手がいるわけではない。172センチの鰺坂ら小柄な選手が多いが、一丸となって「全国屈指の激戦区」と言われる大阪を戦い抜いてきた。先発辻本湧斗投手(3年)が2安打完封するなど投打のまとまりもある。大阪桐蔭との延長14回の死闘を制した準々決勝後には、ナインに100件を越すLINEが届いた。戸村も「明日の一戦を全力でやりたいです」。29日は履正社戦。小柄軍団の大物食いも夢ではない。