星稜(石川)・奥川恭伸投手(3年)が令和の甲子園で完封一番乗りを達成した。旭川大高を3安打に封じて94球で投げきった。各球団スカウト陣のコメントは以下の通り。

▽巨人長谷川スカウト部長「調整が遅れているように報じられていたが、すばらしい。球威、変化球のキレ、安定感もある」

▽DeNA吉田球団代表補佐・スカウト部長「要所要所を計算して投げられている。まっすぐが速いのは一番いいし、球の押し込みもできている。強いて課題を挙げるなら変化球の精度。1位候補に入ってくる」

▽広島白武スカウト部長「上体主導のフォームだった春に比べて、下半身が使えるようになってきた。球は一級品。高卒の即戦力、という球を投げている。高い評価は変わらない」

▽阪神和田TA「大舞台でこういう投球ができる。言うことない。右打者外角への直球はやっぱりすばらしい。変化球はもっと腕を振ったら、キレはもっと出てくる」

▽中日松永編成部長「力みがなく、バランス良く投げられていた。直球のシュート回転もほとんどない。全国の好投手たちが地方大会で負けた中で、甲子園に出てきてしっかり投げられるのはすばらしい」

▽ヤクルト橿淵スカウトグループデスク「文句の付けようがない。超高校級。今まで歴代の松坂投手とかマー君、ダルビッシュ、この辺と匹敵するようなピッチングだと思う。間違いなく(ドラフトでも)競合する存在」

▽ソフトバンク永井編成・育成本部長「1位指名も十分考えられる。球を操れる投手は、プロに入っても早く出てくる。奥川君はそういうタイプ。もう少し大人の体になれば、球質も変わってくる。コントロールが本当に良いので、打者からしたら逆に怖さは少ないのかもしれない」

▽日本ハム山田スカウト顧問「省エネで投げている印象。センバツは1球1球全力だったのが、力を抜く投球を覚えた。走者を出してから力を入れて投げても、制球が崩れない」

▽楽天後関スカウト部長「春より球威、キレが上がっている。経験が糧になっている。地方大会で何発か本塁打を打たれたのは、制球が良いだけに簡単にストライクを取ったからでしょう」

▽西武渡辺GM「他の好投手が地方大会で負けた中、甲子園に出てきたのがいい。夏を勝ち抜く強さがある」

▽ロッテ松本球団本部長「春より全然いい。1人1人、押さえ込もうとしていたのが、打者をしっかり見られるようになっている。精神的な成長を感じる」

▽オリックス古屋編成部副部長「完成度が高い。体も大きくなったし、伸びしろもまだある。軽く投げても148キロ。高校生では簡単には打てないと思う」

▽ロイヤルズ大屋国際スカウト「一種の変則投手だと思っている。リリースで腕が横に動いているのに、あれだけ力を加えられるのはすごい。プロで活躍できる投手は個性がある。奥川君にもそれがある」