<全国高校野球選手権:関東第一10-6日本文理>◇10日◇1回戦

1球が、1つのプレーが勝負を分ける。令和となって最初の夏。熱い戦いのワンシーンを「ヨネちゃんの『プレー』バック」と題して切り取った。

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一、二塁間を抜けたはずの打球だった。関東第一の村岡拓海二塁手(3年)がそこにいた。9回無死一塁の大胆なポジショニング。村岡が「打球のデータがあったし、配球も外のまっすぐ。監督から(一塁に)寄れの指示も出たんです。はまりました」と話した。

9回で得点差は4点。日本文理の2番は逆方向の打球が多い、の分析データが頭にあった。村岡の判断は「ゲッツーは捨て、アウト1つを取りに行く。抜かれて無死一、二塁になるのは嫌ですから」。狙い通り二ゴロに仕留め、2四球で満塁となったものの、無失点で逃げ切った。

2日前、日本文理を想定したゲーム形式のノックを受けた。各選手の打球方向はもちろん、打順も予想したノックだった。「メンバーも、打順も、今日の試合と同じでした」。

村岡は7回にも中前に落ちようとする小飛球を好捕した。もっとも先発メンバーでは1人無安打だった。「自分は守備。欲を出しちゃうと空回りするんで、できることをやりたい」。村岡は試合中と変わらず、冷静に次戦(対熊本工)を見据えた。【米谷輝昭】