仙台商が東部地区優勝の石巻工を2-0で下した。1年生右腕の斎賢矢投手が5安打完封し、06年以来13年ぶりの8強を一番乗りで決めた。

2枚看板が、そろって結果を出した。初戦の塩釜戦(14日)で7回無失点と好投した浜田優斗投手(2年)に続き、この日は背番号10の1年生・斎が、連日の完封勝利に導いた。両チームとも5回まで0が続く投手戦。2回までは3人で切り抜けていた斎だったが、それ以降は常に走者を背負ってのマウンドだった。それでも、期待の1年生は気丈に「ゼロが続いていたので、自分が粘って投げることを心がけて攻撃の援護を待っていた」と振り返る。今秋に転向したサイドスローから、直球とスライダーを軸に投球を組み立て、ゼロ行進を続けた。

9回あと1人の場面では2球で追い込み、最後は直球で三振を奪ってガッツポーズで締めた。斎は「自分の決め球で見逃し三振を取りたいと思っていた。捕手のサインに首を振った」と、完封劇を自ら演出する、心の余裕さえうかがえた。

初戦の浜田は「地区大会では主に斎が投げていたので、絶対に抑えてやろうという気持ちだった」と、後輩への発奮を力に変えて見せた。下原俊介監督(48)は「どこが相手でもピッチャー中心に守って、32人の部員の総力戦で戦っていきたい」。そろった2枚看板で、古豪センショー復活の秋にする。【相沢孔志】