大阪桐蔭が3戦連続のコールド勝ちで5回戦に進出した。

大産大付とは同じ大産大の系列校同士。互いのグラウンドも歩いて数分の場所にあり、日頃から練習試合を組むなど交流があるご近所対決となった。

名門の背番号1が躍動した。藤江星河投手(2年)が投打にわたる活躍を見せた。「投手陣の中で1番経験しているので、自信を持っていけました」。スライダーなど変化球を低めに集めて6奪三振。初回打者3人を中飛、二者連続三振に斬る順調な立ち上がりを見せ、4回を2安打完封。許した走者は安打と四球で出した3人のみ。三塁を踏ませない投球を披露した。打っては、長崎・諫早ボーイズ時代に3番を担ったセンスで2安打4打点。「秋、日本一をチームでも目標にしている。大阪桐蔭らしく、圧倒した力で勝ちたいというのはあります」とプライドを口にした。

前日には気合を込める意味合いもあり、自らの手で頭を五厘刈りにした。中学生の時からルーティーンで「髪を剃ってすっきりさせます。今日も先発と聞いていたので」。前日の3回戦では、松浦慶斗、関戸康介投手ら1年生がリレー登板。今回、ベンチ入りした投手は5人中3人が1年生。「1年生が投げたと言うことは、僕たちの力が足りないということ。2人しか2年生がいないのでもっと頑張らないと」と、エースナンバーを背負っても満足の文字はちらつかない。

西谷浩一監督(50)は「(藤江は)うまく投げてくれた。去年のチームの時から、秋のために意図的に投げさせた。もっと成長して欲しい」と期待を寄せ、「藤が投げられることがこの秋のポイント。後は誰が出てくれるか」と投手陣の底上げを課題の1つに挙げた。