創成館(長崎)がサヨナラ勝ちし、2年ぶり4度目となる来春のセンバツ出場を濃厚にした。

新チームから「1年生4番」の松永知大(ともひろ)がサヨナラ二塁打を決めた。3-3の9回1死一塁。エンドランのサインが出ていた。だが「基本ゴロですが、そうじゃなく普通に打つつもりでした」と気迫で内角低めのスライダーを強振した。打球は右翼ポール際のフェンスに直撃。劇的勝利でベンチ前はお祭り騒ぎになった。

憧れる西武森捕手ばりのフルスイングを心がけているという。この日も「中途半端は嫌。打つと決めたら、フルスイングで打つと決めている」と、チームでも上位という握力約70キロの怪力で勝利に導いた。

熊本・菊池市の生まれだが「県外に行くと決めていた」と言い、甲子園出場の実績のある創成館に進学した。1年生ながら、稙田龍生監督(55)が「今大会に入って調子がいい。エンドランをかけてイチかバチか託した」と期待する能力で応えてみせた。

外野手だが、小中学校で投手だったこともあり、高校でも投手を兼務する。熊本国府との九州大会1回戦では2番手で2回1失点と力投した。投打の「二刀流」でチームを支えている。【菊川光一】