昨秋の県大会を制し、東北大会4強の盛岡大付(岩手)に怪物1年生が加入した。

高崎ボーイズ(群馬)の4番打者で全国16強に導いた中沢舟汰外野手だ。入学直後の初実戦では初打席のファーストストライクを推定135メートル特大バックスクリーン弾。第2打席でも初球を左越え本塁打し、2スイングで2打席連発の衝撃デビューを飾った。

178センチ、90キロの恵まれた体格での強振が最大の武器だ。「監督さんや先輩たちも優しくて、やりやすい環境を作っていただいています。高校通算100本打ちたい。盛付には数多くの良いバッターがいますが、過去一番良いバッターになりたい」。111本を放った早実(東京)清宮幸太郎内野手(現日本ハム)の記録更新にも挑む。

長男航介さん(駿河台大2年)は二松学舎大付(東京)で甲子園出場。次男海斗は二松学舎大付3年で4番を務める。東北勢で過去最多63発で盛岡大付の17年春夏連続甲子園8強の立役者だった植田拓外野手(20)が、済美(愛媛)戦で放った2打席連続弾に魅了され、兄2人とは違う道を選んだ。「特に3ボールからバックスクリーンに運んだ1発はすごかった。植田さんのようにフルスイング出来る打者になりたい。この夏、兄と甲子園で対戦することも目標です」。今冬も1日最低500スイングを自身に課し、重いバットへの対応力も培ってきた。

関口清治監督(44)も「あれだけ振れる1年生は全国にも、そんなにいないと思う。畠山(和洋、専大北上-ヤクルト-現ヤクルト2軍打撃コーチ)を超えるくらいの期待です」。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、春は地区予選と県大会の中止が決定。夏にはクリーンアップを担う可能性も十分にありそうだ。【鎌田直秀】