中越-帝京長岡の練習試合は2回裏途中で降雨ノーゲームになった。今春就任した帝京長岡の芝草宇宙監督(50)にとっては公式戦を含めて初の対外試合だったが、水を差された形に。それでも県高校夏季大会(18日開幕)に向けて、自らとチームを引き締める好材料になった。中越はプロ注目のエース佐藤旦有夢(あゆむ)投手(3年)が先発し、2回3安打1失点だった。

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監督として初の対外試合は雨にじゃまされた。「最後までやりたかったが残念。でも、いい材料になった」。芝草監督はすぐに夏季大会に照準を合わせた。

開始時から降り続く雨が2回裏、中越の攻撃、1死の場面で強くなり中断。そのままノーゲームになった。帝京長岡は1回裏に7失点。死球、走塁妨害でピンチを招き、5安打を許した。2回表に先頭の4番吉田行慶主将(3年)の中前打などでチャンスを作り、1点を返した直後だった。

中断中に選手に話した。「『グラウンドが悪いからスタートが切れない』ではだめ。こういう中でどうするかを考えなければ」。新型コロナウイルスの影響で部活動が中止になり、ようやく迎えた対外試合。スタメン7人が1、2年生という若いチームには気負いと緊張があった。「中越さんはしつこくやってくる。同じようにやらないと」。伝統校の巧者ぶりも実感した。

帝京(東京)のエースとして87年沖縄国体で優勝した時以来「Teikyo」のロゴが入ったユニホームを試合で着た。立場は監督になり、学校も違うが「これを着ると闘志が湧く」と笑う。3年夏の甲子園でノーヒットノーランを達成し、日本ハム入りした当初の熱さを思い出した。夏季大会の初戦は23日の2回戦、加茂農林戦。「私も選手と同じ気持ちで公式戦に臨みたい」。公式戦初采配を楽しみにした。【斎藤慎一郎】