飛龍が、最大のライバルを撃破した。沼津市内で隣接し、来月の「甲子園高校野球交流試合」にも出場する加藤学園に3-2で逆転勝ち。1点を追う6回2死一、三塁で5番田口大樹外野手(3年)が、決勝の逆転三塁打を放った。

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飛龍が窮地から鮮やかによみがえった。1点を追う6回2死から木村一矢主将(3年)が出塁。失策も絡み、二塁まで進んだ。4番の小代蕉也内野手(3年)も左前打でつないで一、三塁のチャンスを作ると、この日2三振だった田口が輝きを放った。狙っていた内角の直球を強振。「気持ちを乗せました」という打球はぐんぐんと伸び、右翼手の頭上を超えた。今春には右足首を骨折。ケガから復活した苦労人は「めちゃくちゃうれしかったです」と白い歯を見せた。

11日は降雨でノーゲーム。3回途中で0-2と劣勢だった試合が振り出しに戻った。選手たちは学校に戻り、ミーティングを実施。「やり返してやろう」と気持ちを切り替えた再試合は、初回に先制した。一時は逆転を許すも、あきらめなかった。同校にとっては恵みの雨。鈴木久監督(62)も「神様がチャンスをくれた。選手がよくやってくれた」と声を詰まらせた。

2日間をかけた一戦は、中断時間も含めて約7時間の熱戦だった。田口は「加藤学園には、ずっとライバル意識があった。次も締めていきたいです」と浮かれなかった。2回戦は伊東と対する。目標の県制覇まで、東部の雄は歩みを止めない。【神谷亮磨】