昨秋優勝の青森山田は3-0で三沢商をシャットアウトし、19年連続の夏初戦突破で2季連続の県大会制覇に向けて好発進した。最速150キロを誇るプロ注目のエース右腕・小牟田龍宝(3年)が2安打11奪三振。公式戦9回初完封勝利で勝利に貢献した。

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青森山田が小牟田の快投で今季チーム初公式戦を白星で飾った。3点リードの9回表2死一、二塁。相手4番を一ゴロに仕留め、一塁カバーに入って自ら勝利球を手にした。自身初の公式戦9回完封。だが、小牟田は「序盤から制球が乱れて最後まで修正し切れなかった」と反省した。

4番手で救援した昨秋の東北大会準々決勝・鶴岡東戦以来の公式戦登板。立ち上がりを課題にしていたが、久々の先発に思わず力が入った。バックネット裏には楽天を含むプロ8球団のスカウトたちの視線。プロ志望の小牟田は「練習試合でも多く来られているので気になりませんでした。正直、力不足です」と自ら厳しく評価した。

バッテリーを組む新井山泰佑捕手(3年)もエースを支えた。初回、与四球スタートも、けん制で二塁盗塁を阻止。続く2回も一塁けん制死、5回表無死二塁でも二塁けん制で三塁アウトに仕留めるなど計4度、けん制で走者を刺した。小牟田は「泰佑に助けられた。感謝しています」と振り返った。

冬場は下半身強化に取り組み、体重も昨秋の76キロから82キロまで増やした。この日の最速はスカウトの計測で145キロだったが、3月のブルペン投球では150キロの大台に乗せている。打者としてもクリーンアップを任されている。昨秋の東北大会・鶴岡東戦では3番に座り、初回先制3ランを放ったが、逆転負けする悔しさを味わった。この日5番打者で4打数無安打に終わった小牟田は「ピッチングが悪いと打撃も悪くなる。気持ちを切り替えて修正してやっていきたい」と投打の活躍を誓った。【佐々木雄高】