前U18高校日本代表指揮官の永田裕治監督(56)が率いる日大三島は、静岡に0-2で敗退。相手エース松本蓮(3年)に6安打完封負けを喫した。

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日大三島の永田監督は、就任後初の公式戦を白星で飾ることはできなかった。それでも昨夏県王者の静岡高と接戦。短い準備期間ながらも、粘りの野球を掲げる「永田イズム」が根付いた戦いを見せた。

0-2で迎えた7回表。2死二、三塁と一打同点のチャンスをつくった。後続が倒れて無得点に終わったものの、チーム全体で相手エースの低めの変化球を見極め、最後まで食い下がった。永田監督は「よく粘った。(活動再開後で)最も良い試合をやってくれた」と選手たちをたたえた。

部活動の再開は先月15日。約1カ月の短い準備期間だったが、名将の教えを選手たちは貪欲に吸収した。指揮官は「1カ月でよくこの状態まで持ってきた。合格点。こちらの意図を理解してプレーできるようになった」とうなずいた。

先発したエース福原俊吾(3年)が2失点完投。最速140キロの直球を軸に力投した。「試合中、監督に『ピッチングが分かってきたな』と言われてうれしかった」と白い歯を見せた。初戦敗退となったが、3年生を中心に団結して、強豪校に善戦した。永田監督は「3年生に感謝したいです」とねぎらった。【古地真隆】