東北学院が古川学園を振り切り、2年ぶりの夏16強に名乗りをあげた。連投のエース右腕・井上聖南(せな=3年)が5回3安打1失点。1年秋からエース番号を背負う集大成の夏に、高い修正能力を示した。

初戦の12日宮城農戦は7回を7安打6失点で降板。チームも7-6の逆転勝ちと冷や汗をかいた。この日も序盤は上半身と下半身のフォームバランスに苦しんだが、投げながら修正。試合中に確認し合った渡辺徹監督(49)は「力みもコントロールできるようになった」と評価した。

昨春は県3位でチーム初の東北大会に出場。2回戦で花巻東(岩手)を破り、8強入りした。だが第3シードで迎えた夏の宮城大会は初戦敗退の悔しさを味わった。昨秋も地区予選で敗退。東北大会で甲子園常連校のエースたちを間近で見て、「甲子園が見られた。マウンドさばきにしても威圧感があった」と刺激を受け、力を抜いて7、8割の力感で投げられる投球術を追求した。

6番打者としても1回表2死一、二塁から右越え2点三塁打を放ち、3点先取劇の一翼を担った。その際、三塁に滑り込んで右ふくらはぎをつりそうになり、中盤の投球にも影響したが、気力で踏ん張った。次戦は26日に8強入りを懸けて柴田戦。井上は「エースのやるべきことをしたい。走者をかえすのが6番打者の仕事」と投打でフル回転を誓った。【佐々木雄高】

▽古川学園・志賀葵心内野手(3年=3回途中から好救援。打っても2安打) 悔いなくやり切れた。卒業後は軟式でもいいから社会人で野球を続けたい。