龍谷が延長13回の激闘をルーズベルトゲームで制した。

序盤から追いつ追われつの展開で延長戦に突入。無死一、二塁に走者を置いたタイブレーク制を敷く13回の攻防で命運を分けた。龍谷は1死二、三塁の窮地をしのぐと、その裏の攻撃で代打藤木星優(せいや)内野手(2年)が三塁線にバントを転がすと投手で力投していた太田透天(とうあ)外野手(2年)がどこにも投げられない。無死満塁になり、代打起用された中島旭教(あきなり)外野手(3年)が詰まりながらも左中間に落とし、サヨナラ勝ちで頂点に立った。

炎天下での4時間7分の死闘を制した龍谷の徳山誠一朗監督(41)は「目標を見失っていたんですけど、そこから立て直してくれてキャプテンの森をはじめ、3年生が中心となって引っ張ってくれた。誇らしく思う。(引退する3年生と)一緒に野球をやれてうれしかった。今日は長かったけど成長している姿を1球1球、見られて楽しかった」と笑顔だった。殊勲打を放った中島は右肩を負傷しており、大会初打席。「緊張は思ったよりしなかった。追い込まれてあせりました。最後は勝手に体が反応しました」と振り返った。夏の佐賀大会で、15年以来、5年ぶりの頂点に立った。

一方、劣勢を盛り返しながら健闘した敬徳は00年以来、20年ぶりの決勝だったが1歩及ばず。徳永太監督(33)は「粘り強いチームで、相手が1歩上だった。経験が薄かった。野球をする力をつけないと初優勝はつかめない」と険しい表情だった。8回、同点に追いつかれた直後の無死満塁で救援登板して、しのいだ太田は勝負どころで球威が上がり快投を続けたが、最後は涙をのんだ。「(8回は)自分で何とかしてやろうと思いました。悔しいです。3年生と最後の試合。優勝したかった」と話した。