高崎健康福祉大高崎のプロ注目左腕・下慎之介投手(3年)が1球に泣いた。

桐生第一との大一番に先発。同点の6回2死満塁、星野綜汰捕手(3年)に初球のスライダーを左翼席に運ばれ、一挙に4点を失った。

前の打者に追い込みながらも6球のファウルで粘られた。下は「スライダーも思った通りにいっていた。相手打者が落ち着いていた」。フルカウントでボール球を投げれば押し出しの厳しい場面でも6球続けてストライクゾーンへ投じ、最後は三振に切って取った。直後には青柳博文監督(48)がタイムで間を取り、気を引き締めていた。しかし初球を痛打され、重い4点を献上した。

下は「最後までマウンドに立って優勝を決めたかった。『全員でマウンドに集まる時の、中心にいるんだ』という気持ちで臨んだ。自分の実力不足で、それがかなわなくて悔しい」と涙を流した。

甲子園での交流試合が残っている。「みんなで笑顔で終わりたい。最後の試合が甲子園というのは、願ってもないこと。自分の投球をするだけです」と前を向いた。あと1試合、最高の舞台で全力を尽くす。【小早川宗一郎】