大館桂桜は前日13日に4回途中降雨ノーゲームとなった再戦で、9-2と秋田北鷹に8回コールド勝ちし、同地区県大会出場最終切符を得た。エース右腕・安藤拓巳投手(2年)が2-0とリードしていた前日に続いて先発。7安打は浴びたが要所を締め、5奪三振1四球の2失点(自責0)完投した。「昨日も調子が良かったので、強い真っすぐで押そうと思ったけれど、疲労感もあって捉えられたので、少し遅い直球も交えたのが良かった」。最速137キロの直球だけでなく、120キロ中盤にあえて抑えた直球での緩急でタイミングをずらした。キレの良いスライダーなども相手を惑わせた。

18年夏、甲子園準優勝した金足農の吉田輝星投手(現日本ハム)に憧れ、参考にしてきた。「映像などを見ながら、直球の緩急だったり、けん制の間だったりをマネしています」。球速は違えど、ギアを調整する術に手応えは得た。打撃でも8回裏に右越え適時三塁打を放つなど2安打1打点。14安打を放った打線の中心も担う。

今秋は同大会初戦で大館鳳鳴に7回コールド負けから発進したが、反省を繰り返しながら巻き返した。安藤も「意識はないんですけれど…」と、舌を出しながら投げる「あっかんべー投法」で県内の強豪撃破に挑む。「県大会優勝を目標にしたい」と脱力の意識の中で、言葉は力強かった。【鎌田直秀】