宮城広瀬が控え選手不在の背水の陣から、大逆転劇を演じた。2年生7人、1年生2人のベンチ入り9人だけで臨み、5回終了時で0-7の劣勢。7回コールド負けが迫る6回表から反撃を開始。4点差に迫った7回表は4四死球3敵失に4安打を絡め、打者12人で一挙7点を挙げて逆転した。秋は過去最高の県16強進出に穀田長彦監督(51)は「今まで考えたこともなかった守備も見せてくれた。成長を感じる」と選手たちの粘りを評価した。

継投が明暗を分けた。穀田監督は0-6の1死一塁ピンチで、左翼を守っていた小野寺洸人(1年)にスイッチ。この回、小野寺は連打で失点(自責0)したが、5回以降は散発2安打6奪三振の好投で逆転勝利を呼び込んだ。

7番打者としても7回表2死満塁、右前に同点打を放ち、敵失も誘って一気に勝ち越した。大沢中3年途中から投手兼任の小野寺は「公式戦で投げたのは人生で初めて。先発のエースが崩れてきたので心の準備はしていました。変化球はカーブとチェンジアップだけ。バッターの外を攻めて、変化球で崩すことを考えて投げました」と公式戦初登板を振り返った。

相手の先発投手降板で、「リズムが変わるかもしれない」と感じた穀田監督の「読み」と采配が的中。打線は6回、「打てる球を逆らわずに打て」の指示通りに、登板直後の2番手を攻略。2死から4者連続安打と連続死球で3点を返し、完全に流れを引き寄せた。続く7回に真ん中低めの直球をはじき返した小野寺は、「下位打線なのでストレートで攻めてくると思っていた。もっとスタミナをつけて先発を目指したい」と飛躍を誓った。【佐々木雄高】