文武両道の公立高・長田（兵庫3位）が初戦敗退し、来春のセンバツ出場が厳しくなった。

全国有数の強豪・大阪桐蔭（大阪1位）に7回コールドで力負け。永井伸哉監督（48）は「いや～、初回の失点がすべてって感じでしたね」と残念そうだった。

1回裏に5失点。背番号10の1年生右腕・松田宰（つかさ）が立ち上がりで捕まった。「経験したことがないような打球の速さ。自分が最初にビックリしたと思う」。大阪桐蔭の1番繁永晟（2年）に強烈な強襲打を食った。何とかグラブに当てたが、内野安打に。驚きが制球、球質の乱れを生む。松田は「何を打たれたか、あまり覚えていない」と言う。4安打に2四球を絡められ、気づけばビッグイニング。永井監督が「勝つなら2－1、3－1」と描いたシナリオが早々に崩れた。

それでも、収穫はある。4回以降3イニングは無安打、0点に封じた。初球にストライクを取り、1－2、2－2のカウントにして、外角で勝負する－。村野工を2－1で破った兵庫県大会3位決定戦など「これまで県大会でやってきた投球をすること」を前提に、制球、球質などの精度を上げれば－。大阪桐蔭も封じられると実感した。

公立の進学校で、平日の練習は6時間目の際で3時間、7時間目まであると2時間ほど。照明はあるが、光量は乏しく、メニューはトス打撃や投内連係が精いっぱい。それでも、内野手はボールが見にくい。「でも、文武両道がかっこいい。それができるのが長田」（松田）と思い、ナインは頑張る。

松田は「大阪桐蔭がみんな体も大きい。今までやってきたどの相手とも違った。でも、こういう相手に勝てないと甲子園には行けない、と分かりました」。次の狙いは来夏。まだまだ挑戦は続く。