昨夏の甲子園に出場し、今秋のドラフト候補として注目された日本文理の長谷川優也内野手(3年)が来春、東都大学野球の東農大(来春から2部)に進学する。1年時から三塁手など内野の要を務めるとともに、投手としても力を発揮してきた二刀流。大学では投手に専念し、チームの1部昇格と4年後のプロ入りを目標にする。

長谷川の意識にあるのは4年後の自分の姿だ。「4年生の秋、ドラフト会議で指名を受けてプロ入りしたい」。準優勝だった今夏県独自大会での背番号は「5」。1年春からレギュラーで、強打が伝統の日本文理の中軸を打つ打撃センスと、守備力の高さを披露してきた。同時に右の本格派としても評価が高かった。

最速144キロの直球とカットボール、スプリット、カーブを操る。県独自大会の3回戦・新潟江南戦で4回10奪三振をマーク。昨夏の甲子園1回戦、関東第一(東東京)戦では2番手で登板もした。大学では「投手に専念する」と言う。

今秋、投手でのプロ入りが目標だった。NPBのスカウトへのアピールも意識した。ただ、「まず高校野球をやり切るのが先決」。新型コロナウイルスのため夏の甲子園が中止。勝っても負けても最後の大会になった県独自大会に集中した。大会後、「しっかり力をつけてプロに行くべき」と進学に絞り、プロ志望届は提出しなかった。

もともと投手志望。黒埼中で軟式野球に取り組み、当時から投手と野手の二刀流だった。「軟式球を投げたことで腕の振りが速くなった」。感じていたプラス面を大学で本格的に磨く。鈴木崇監督(40)は「これから力のある打者と対戦して、自分を磨いてほしい」と期待する。

「1年生のうちに最速を150キロ台に乗せたい。すぐに試合に出て1部昇格を目指す」と大学でのプランを描く。その先にプロの世界を見据えている。【斎藤慎一郎】

◆長谷川優也(はせがわ・ゆうや)2002年(平14)8月6日生まれ、新潟市出身。大野小1年の時に黒埼ヤンキースで野球を始める。黒埼中では主に投手で、3年の春季県大会優勝。内野手としてU-15日本代表に選出され、U-15アジア選手権で優勝を経験。日本文理では1年春からベンチ入り。176センチ、76キロ。右投げ右打ち。