新たな挑戦をスタートさせる。昨夏の福島県独自大会と東北大会で2冠に導いた聖光学院(福島)内野手の内山連希主将(3年)が12日、東都大学リーグ1部の東洋大総合情報学部に合格した。

ただ「プレーはしない。体格的にも自分がプロ野球選手になるのは、現実的に厳しい」と冷静に自己分析し、入学後は硬式野球部マネジャーを務める意向を明かした。

内山主将が14年間の選手生活にピリオドを打つ。新たな目標として、「将来は野球に携わる仕事がしたい。自分は野球データが好き。そういった企業への就職を目指したい」と希望に満ちた表情で話した。高校時代は「セイバーメトリクス(野球統計学)」の本を愛読。「数学者が野球のルールに基づいて、いかに効率良く得点できるのか。中学時代から興味を持った」とデータのとりこになった。

昨夏の引退後は新チームの練習試合(約50試合)から、OPS(出塁率+長打率)、スタメン別の得点率などを分析。「1度、やってみたかった」と1週間かけて、エクセルに書き込みながら算出し、膨大な情報を処理。後輩たちへ秋季大会前にデータ提供した。「チームに役立つか分からないけど、続けていきたい」と情報分析も専攻する同学部で4年間学び、データ分析を極めるつもりだ。

高校3年間の歩みを糧にする。昨夏の県独自大会で夏14連覇を達成。続く、東北大会でも頂点に立った。甲子園にはつながらなかったが、「感謝の気持ちを持って勝ち進んだチームが、甲子園出場よりも価値のあることだと、選手全員が同じ思いで戦って実現できた優勝。コロナがあったからこそ、僕たちの夏があった。この経験は、今後の人生に必ず生きる」と胸を張った。球春到来とともに、第2の野球人生がプレーボールする。【佐藤究】

◆内山連希(うちやま・れんき)2002年(平14)4月8日生まれ、東京・立川市出身。年少から野球を始め、中学時代は瑞穂シニアでプレーし2年秋に関東大会出場。168センチ、67キロ。右投げ右打ち。家族構成は父と母。血液型A。好きな有名人は有村架純。