鵡川高の新野球部寮が完成し、16日に引っ越し作業を終えた。寮は18年9月に発生した胆振東部地震で被災。取り壊され、同じ場所で再建が進められていた。

1、2年生は10日から居住し練習を再開し、この日は3年生10人が移動した。震災直後、町の生涯学習センターに身を置き、19年1月からモバイルハウスの仮設寮で生活していた。阿部柊希前主将(3年)は「3年生は4回目の引っ越しで、その期間があったから成長できた。後輩たちはこの素晴らしい環境で感謝の気持ちを忘れず、野球で表現してほしい」と話した。

新寮は延べ床面積約1000平方メートル2階建て。洗濯機計16台、乾燥室が完備され、入浴施設も充実している。山崎航生主将(2年)は「屋内練習場に近くなり、練習に打ち込みやすくなった。昔のししゃも打線のように『打って勝つ』が目標。今はウエートで体をつくり、スイング力を磨いています」。周囲への感謝の気持ちを、バットの快音で返していくつもりだ。【奥村晶治】